Lesson7 〜セミアニリン仕上げについて〜

セミアニリン仕上げについて


 

 

リカラーの仕上げ方について
染料仕上げと顔料仕上げを
お伝えしましたが今回は

 

 

 

 

『セミアニリン仕上げ』

 

 

 

 

と言う仕上げ方について
お伝えしていきます。

 

 

 

 

 

 

セミアニリン仕上げとは
染料仕上げと顔料仕上げの
両方の仕上げ方を行う方法です。

 

 

 

 

順番としては、まず最初に
染料仕上げを行い革自体を染色します。

 

 

 

 

次に染料仕上げで染色した革の上の
バインダー層に顔料仕上げを行います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

このように染料仕上げのいい所と
顔料仕上げのいい所を両方の
いいとこ取りを施した仕上げを
セミアニリン仕上げとなります。

 

 

 

 

 

なぜ染料と顔料の両方の仕上げをするのか?

 

 

 

 

セミア二リン仕上げは
多くのハイブランド品や
高級な革製品、
高級車のレザーシートなどに
用いられています。

 

 

 

 

セミアニリン仕上げをすることによって
革の本来の質感を残しつつも
ある程度の汚れに強く
耐久性もある仕上がりになるからです。

 

 

 

 

 

また、ブランド品リペアにおいて
色変えを行う場合に
セミアニリン仕上げをすることによって
革自体を染料で染めてから
さらに表面に顔料で覆うことによって
元々の革の色を完全に塗り替えることが
出来るのです。

 

 

 

色変えとは、例えば
下の写真のように
元々赤いお財布だった物を
黒いお財布に塗り替えることです。

 

 

 

 

 

これが顔料仕上げだけだと
元々の赤色が浮いて来てしまい
ここまでキレイに黒くなりません。

 

 

 

染料仕上げで革自体を黒く
染めているから顔料仕上げでも
ここまでキレイに黒くなるのです。

 

 

 

 

逆に言うと色変えをする際は
セミアニリン仕上げを
行わなければ出来ない
と言うことです。

基本的にセミアニリン仕上げを
行う場合は上の写真のように
元々のカラーから違うカラーに
塗り替えを行う時にしか
ほとんど行いません。

仕上げ方の使い分けとしては
同じ色から同じ色にするような
補色でしたら顔料仕上げです。

 

 

 

 

スエード生地やデニム生地、
キャンバス生地、ナイロン生地などは
染料仕上げで仕上げて行きます。

 

 

 

 

またエナメル生地(パテントレザー)
についても基本的には染料仕上げですが
マッドブラックなどの特殊な色変えの際は
顔料仕上げになります。

 

 

 

 

エナメルのマッドブラックへの
リカラーについては実践編で
お伝えして行きます。

 

 

 

なぜ私の扱っている商品は
ブラックが多いのか?

 

 

基本的に私がやっている
リカラーはセミアニリン仕上げで
ブラックにしてしまう事が多いです。

答えはすごく単純明快で
『ブラック』は、とても人気があり
一番高く売れるカラーだからです。

なぜブラックが人気なのかと言うと
やはり高級感がありますし
シロやピンクなどの明るいカラーは
どうしても汚れが付きやすく
汚れが目立ってしまうため
明るいカラーを避けてブラックを
選ぶ人が多いからです。

しかも、ほとんどの汚れは
ブラックにリカラーすることによって
隠れてしまいます。

また、リカラーをする際に
一番大変なのは色を作る調色作業です。

 

 

元々のカラーと同じカラーを
作ることはとても難しいです。

 

 

 

まず、
元々のカラーに限りなく近い
色を作ることは出来ますが
100%元々のカラーと
同じカラーを作ることは
ほとんど無理と言っても
過言ではありません。

 

 

 

 

 

 

ですがブラックでしたら
調色をすることなく
ブラック単体のカラー剤のみで
リカラーが出来てしまいます。

 

 

調色をして色を作る必要がない
と言う点も大きなメリットです。

 

全てを考慮してリカラーをすると
ブラックにリカラーをすることが
一番簡単で、一番売れやすく
一番高く売れるので
私がリカラーする商品は
ブラックが多いのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なので、リカラーをする際は
ブラックにリカラーすることが
とても多いのです。

 

 

 

 

 

セミアニリン仕上げは
よく使う仕上げ方なので
しっかり覚えておいてください。

 

 

 

 

 

以上がセミアニリン仕上げについての
説明になります。

 

染料仕上げ

 

顔料仕上げ

 

セミアニリン仕上げ

 

 

以上3つの仕上げ方が
リカラーを行う際に使う
仕上げ方になります。

 

 

 

リカラーの手順については
今後詳しく解説して行きますので

今は、これからリカラーを行う際は
この3つの仕上げ方のいずれかで
仕上げていくと言うことを
覚えておいてください。

 

 

 

 

 

 

今回のLessonはこれで
終わりになります。

 

 

 

 

 

次のLessonではトップ層について
お伝えします。