顔料仕上げについて
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今回のLessonでは
『顔料仕上げ』
について説明していきます。
しつこくおさらいしますが
革の構造もう一度おさらいします。
しつこいようですが
それくらい重要だと言うことです。
レザーと言うのは
革・バインダー層・トップ層の3層で
出来ています。

今回のLessonお伝えする
「顔料仕上げ」とは
この3層のうちの
バインダー層の部分に色を入れて
リカラーをする手法になります。

顔料とは
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顔料=粒子で染める
顔料は染料の分子より大きい
粒子で出来ています。
顔料とは色の付いた細かな粒子状のカラー剤を
ウレタン樹脂(接着剤)と混ぜ合わせ
革の繊維の表面に接着させることによって
色を着けるのが顔料仕上げと言います。
染料仕上げとは違い
染料のように革自体に
浸透することなく
革の表面(バインダー層)に
留まります。
なので、革表面の傷やシミを
覆い隠すことが出来ます。
顔料仕上げはバインダー層に
色を入れる(定着させる)
と覚えて下さい!
染料の説明で上げたTシャツで言うと
Tシャツ自体を染めるのが染料に対し
Tシャツのプリントの部分にあたるのが
顔料と言う感じです。
他に分かりやすく例えると
女性が化粧で使うファンデーションだと
思って下さい。
肌の表面にファンデーションを塗ると
肌の表面に定着して
肌の凹凸やシミ、傷、日焼けを
覆い隠すことが出来てキレイになります。
このファンデーションのように
表面に定着してキレイにする物が
ここで言う顔料にあたるのです。
顔料もファンデーションと同じで
厚く塗れば塗るほど肌を覆いかくし
傷やシミは隠れますが
違和感を感じるほどの
厚化粧になってしまい
クオリティーが下がってしまいますので
厚塗りには注意が必要です。
用途としては表面の傷やシミを
隠したい時などは顔料仕上げで
仕上げていきます。
顔料の特徴
表面に定着して留まる・厚塗りをしなければレザーの素材感を生かしつつ
表面の傷やシミなどのデメリットの部分を隠して
キレイに仕上げることが出来る
・光沢はあまりないが色合いが濃い
・透明感がない
・油性と水性がある
・光や水濡れに強く色褪せづらい
・染料に比べ乾くのが早い
・ムラが出づらい
・表面を覆うため素材感を活かした染色がしづらい
以上が顔料仕上げの説明になります。
染料仕上げと顔料仕上げを
同じページに書くと
どっちがどっちだか
頭の中がゴチャゴチャになるので
別々のLessonに分けて
解説してきました。
最後に染料と顔料の違いについてと
油性と水性の違いについての
説明して今回のLessonを終わります。
染料と顔料の違い

染料
染料は粒子が小さく分子レベルなので
革の繊維自体に染み込み革自体を染める。
表面に留まらないので表面の傷などは
隠すことが出来ないが革本来の模様を
残すことが出来る。
顔料
顔料は粒子が大きくウレタン樹脂(接着剤)と
混ぜて使うので革の繊維内部まで浸透せず
革の表面(バインダー層)に留まり
革の表面(バインダー層)で染色する。
表面に留まるので傷やシミなどを
隠すことが出来る。
薄塗りをすることで傷やシミなどの
デメリットを隠しつつ革本来の素材感を
残すことが出来る。
水性と油性の違い
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染料・顔料ともに水性と油性があります。
私が教えている主に使用する
リカラー剤は水性です。
水性と油性の違いは以下の通りです。
水性
・水性のカラー剤は水で希釈(薄める)出来る
・匂いが少ない
油性
・化学物質で希釈(薄める)出来る
・匂いが強い
油性塗料の方が色が落ちにくく
耐久性があるイメージがあると思いますが
今の水性塗料は油性と比べても
色落ちの強さも耐久性もほぼ同じです。
油性塗料を使用してリカラー作業を
していると有機溶剤の匂い(シンナー臭)で
やられてしまい気分が悪くなると思います。
なので、ブランド品のリペアには
水性塗料を推奨しています。
水性のカラー剤で十分キレイな
仕上がりになりますので
油性塗料は使わなくて大丈夫です!
以上で今回のLessonは終わりになります。