エナメル製品のリカラー方法
今回のLessonではエナメル製品の
リカラー方法を解説します。
エナメル製品はどうしても
焼けによって色が変色したり
色移りによる汚れが目立ってしまうため
新品での購入時は高い割に
売る時にはとても安くなってしまします。



エナメルに入り込んだ
色移りなどの塗料は
どうしても落とすことができないため
基本的には焼けてしまった色や
色移りをした汚れを隠すために
ブラックにリカラーするしかありません。
ブラックにリカラーすることによって
このようにエナメルに入り込んだ
変色部分を隠してキレイに
仕上げることができます。



エナメル製品は焼けや色移りにより
仕入れ価格が安いために
このようにブラックでキレイに
リカラーすることによって
中古でも高く販売することが
出来るのです。
では、まずリカラーの手順を
動画にしていますので
下記の動画をご覧ください。
エナメルリカラー動画
エナメル素材の塗り替え手順

ステップ1 クリーニング
エナメルのクリーニングには
リムーバーCでクリーニングを行うと
エナメルにダメージを与えてしまう
可能性があるため
IPAアルコールでクリーニングで行います。
クリーニング方法はエウスに
アルコールを適量付けて
拭き上げてクリーニングを
行なって行きます。
全体的に拭いてある程度
汚れなどが落ちたらクリーニングは
完了になります。
ステップ2 ステッチへの染色
エナメルに色を入れる前に
ステッチに色を入れて行きます。
やはりステッチには染料だけでは
完全に色が入らない場合が多いので
事前にステッチに色を入れておきます。
ステッチに色を入れる際は
ファブリックマーカーで
ステッチを塗って行きます。

コツとしては一方方向からだけではなく
行ったり来たりと往復して
さまざまな角度から塗ることによって
しっかりとステッチに色が入って行きます。
塗っている最中、
エナメルの上にはみ出しても
後で拭けばエナメルの部分に
はみ出したマーカーは取れますので
はみ出しても気にしなくて大丈夫です。
全てのステッチに色が入ったら
次の工程に進みます。
ステップ3 染料塗布
まず、染料仕上げの時と同様に
いつも通りの染料を水で希釈して
作って行きます。
Phoenix Proの染料でも
Lizedのアクアカラースーパーブラックでも
どちらを使っても問題ありませんが
アクアカラーを使った方が
コスパがいいのでオススメです。
どちらの染料を使っても
上記の割合で混ぜ合わせた物を使います。
エナメル素材への染料の塗り方は
基本的に筆ではなくウエスで塗って行きます。
筆でエナメルを塗ると
どうしても筆跡が残ってしまい
塗った感が出てしまうため
ウエスを使って塗って行きます。
塗り方も単純で染料の入った容器に
ウエスを漬けて染料をウエスに
適量を含ませエナメル部分を擦りながら
塗っていくだけです。
塗ってはドライヤーで乾かしを
繰り返して行くとエナメルの繊維に
染料が浸透していき
どんどん黒くなって行きます。
結構しっかり色を入れないと
光に当てた時にうっすらと
元の色が浮いてくるので
光に当て確認しながら塗って下さい。
また金具周りなどの細かい部分は
筆を使い色を入れて下さい。
エナメルを塗っていると
小さな点のような汚れが付着して
塗っていてもそこだけ
色が入らない場合があります。
そのような時は綿棒に
水とリムーバーCを1:1で
希釈したものを綿棒に付けて
軽く擦るとほとんどの場合は
点のような汚れが取れます。
強く擦りすぎるとエナメルが
傷んでしまうので
軽く擦るようにして下さい。
汚れが取れてから染料を塗ると
しっかり染料が染み込んで行きます。
全体的にしっかり色が入ったら
次の工程に移ります。
ステップ4 余分な染料を拭き取る
全体的にしっかり色が入ったら
新しいウエスにアルコールを付けて
全体を拭き上げて行きます。
乾いたウエスで擦っても
ウエスに色が付かなくなるまで
しっかりとアルコールで
拭き上げて下さい。
ここでしっかり拭き上げないと
後々、色移りの原因となってしまいます。
拭き上げが終わったら次の工程です。
ステップ5 仕上げ
アルコールで全体をしっかり拭き上げたら
仕上げの工程に入って行きます。
仕上げの工程ではコーティングを
行なって行きます。
この際に使用する溶剤は
Phoenix Proのsalasaか
モゥブレィのエナメルローションを
使って仕上げて行きます。
どちらで仕上げても構いません。
salasaで仕上げる場合も
エナメルローションで仕上げる場合も
ウエスに適量付けて
ベタつきがなくなるまで
全体をしっかりと拭き上げて下さい。
全体をしっかり拭いて
サラサラになったら完成です。
以上がエナメルの塗り替えになります。
エナメル補足
エナメルのダメージが強い場合
Phoenix Proから販売されている
エナメルコートスプレーを使用します。

ダメージの多いエナメル素材に
こちらのエナメルコートを
塗布することによって
新たにエナメル層を
生成することができます。
エナメルコートでエナメル層を
生成した後のトップコートとして
Phoenix Proから販売されている
タックストップスプレーを
塗布することによって
エナメル層の上にトップコートとして
コーティングすることが出来ます。

以上がエナメル素材の色変えについての
解説になります。